【相談内容】
Aさんは、母親の死亡後、母親が「すべての財産をAさんの姉に相続させる」という内容の公正証書遺言を作成していたことを知りました。相続人はAさんとその姉の二人だったため、Aさんには遺産全体の4分の1の遺留分(法律上、相続人に確保される最低限度の財産)がありました。Aさんは特に姉と仲が悪いわけではありませんでしたが、「面と向かって姉に遺産を請求するのが憚られる」「遺産に何があるのかわからない」とのことで、相談にお見えになりました。
【解決内容】
代理人として遺留分を請求したところ、姉の方にも代理人が就任し、裁判手続によらない交渉にて、遺産の開示から和解まで約3か月で、Aさんは遺産全体の4分の1の金額を手にすることができました。遺留分の請求は、交渉で解決できない場合は、調停や訴訟に移行することになり、長期間を要すことも珍しくありませんが、本件は早期に解決することができました。
【コメント】
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東京弁護士会
田村 文佳
タムラ フミカ
Tamura Fumika - 遺産相続で弁護士に依頼するのは、相続人間で仲が悪く話ができない場合とは限りません。本件のように、普段は連絡を取り合っているものの、いざお金の話になると面と向かって請求しにくい場合にも、代理人が入ることでスムーズに進む場合もあります。また、遺留分は極めて法律的な話になることも多く、請求できなくなってしまう時効制度もあるので、遺留分について迷っていらっしゃる方はまずはご相談ください。