「沖縄の声を日本中の声に」NBFesの活動 【弁護士 塚本 和也】

 

1 NBFes(辺野古新基地建設に反対する若手有志の会)は,首都圏の若手弁護士を中心として,辺野古新基地反対の沖縄県民の意思を本土でも拡げたいと考え、活動している団体です。当事務所からも複数の弁護士,事務員が参加しています。

 昨年7月11日に「No More Base Fes-沖縄の声を日本中の声に-」と題したアピールウォーク及び街頭宣伝を新宿にて開催しました。また、9月20日には「No More Base Fes-沖縄基地×戦争法案-」と題した学習会及び街頭宣伝を開催しました。さらに,12月20日には「No More Base Fes アピールウォーク@横浜-」と題したアピールウォーク及び街頭宣伝を山下公園から桜木町駅において行いました。これらの企画には,名護市長や国会議員の方々から応援のメッセージをいただいた上,数百人の方々に参加していただきました。

 また,「いま,辺野古で起こっていること」というリーフレットを作成し,配布や販売を始めました。12月の企画では用意した400枚全てを受け取っていただきました。

 

2 辺野古新基地建設の問題点

  沖縄の新基地建設には多くの問題がありますが、私たちは以下の3点を中心に呼びかけています。

① 民主主義を無視する暴挙であること

 国土の0.6%しかない沖縄に、在日米軍基地施設の約74%が集中しています。沖縄では、既に新基地建設反対の声が明確に示されています。沖縄での3つの選挙、すなわち名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院議員選挙において、新基地建設反対を掲げたオール沖縄の候補者が勝利しています。それにもかかわらず、安倍政権は粛々と新基地建設を進めるとして、工事の手を止めません。これは民主主義を無視する暴挙であり、許されません。

② 辺野古の豊かな自然を破壊すること

 辺野古の海は、美しいサンゴ礁が広がり、絶滅危惧種のジュゴンをはじめ多様な生物が生息するなど、美しい自然環境を有しています。しかし、新基地が建設されれば、これらの環境は破壊され、取り戻すことは困難となります。このような自然環境の破壊は許されません。

③ 新基地建設の必要性がないこと

 新基地建設の理由としてしばしば「抑止力」が挙げられます。しかし、アメリカが、抑止の主な対象と考えられる中国と対峙する可能性は、経済的にも軍事的にも考えがたく、新たに辺野古に基地を建設してまで沖縄に米軍を駐留させる必要性はありません。また,沖縄に駐留する米軍の60%以上が海兵隊です。海兵隊は急襲部隊であり、防衛のための部隊ではありません。米軍基地は日本防衛のためではなく、あくまでもアメリカの戦争のための出撃拠点でしかありません。

 また,政府は翁長知事による埋立承認取消しについて不服申立と執行停止を申し立て、さらにその「承認取消し」の取消しを求めて翁長知事を提訴するに至っています。これらの政府の手法は,行政法学者からも厳しく批判されています。抑止力論や普天間基地の問題,沖縄の基地経済や予算,政府の対応などについて,誤解している方も多いかと思いますが,下記の翁長知事の陳述書がとてもわかりやすいので,ぜひお読みいただきたいです。

 

3 私たちは、沖縄の声を無視し、平和、そして辺野古の海を破壊する辺野古新基地の強行を認めることはできません。

  ぜひ本土の皆様にもしっかりと考えていただき,「沖縄の声を日本中の声に」したいと思っています。今後の企画へのご参加やご支援をよろしくお願い申し上げます。

 

【参考】リンクをクリックすると各サイトに移動します。

NBFesフェイスブックページ

代執行訴訟 翁長知事陳述書 (琉球新報記事)

普天間基地返還の問題 ~沖縄に平和な暮らしを!~ (弁護士仲里歌織執筆記事)