名張毒ぶどう酒事件

第7次再審請求申立事件
無実の死刑囚・奥西勝(おくにしまさる)さんに2005年4月5日付再審開始決定!
検察側から異議申立 現在名古屋高等裁判所で審理中

 

44年間の無実の訴えがやっと裁判所に届きました。
 『ゾウが針の穴を通る』ほど難しいと言われている再審開始決定です。
しかし検察庁は再審請求異議申立をしました。
 「無実の人は無罪に」という当り前のことが通らないなどということがあってはなりません。
 この事件は、日本弁護士連合会が支援し、再審(裁判のやり直し)を裁判所に請求しています。

 

 

 一審無罪、二審死刑
 
名張毒ぶどう酒事件とは、1961(昭和36)年3月28日、三重県名張市葛尾(くずお)の公民館で開かれた懇親会の席上、何者かが毒物を混入した女性用ぶどう酒によって、5人が死亡、12人が中毒を起こしたという事件です。
 死亡した5人の女性の中に妻と愛人がいた奥西勝さんは三角関係の清算という動機があるとして警察から厳しい追及を受けますが否認し続けました。しかし、事件直後からの長時間の取調べ、自宅にも警察官が泊まりこみ、就寝からトイレまで監視されるなかで、勝さんは嘘の自白をさせられてしまいます。しかし、奥西勝さんは起訴直前に自白を撤回してから、以後一貫して無実を主張しています。殺人・殺人未遂罪で起訴されましたが一審は無罪。二審は一転して死刑判決。1972年に最高裁判所で死刑が確定しました。

唯一の物証崩れる
 
その後、奥西さんはくり返し再審を求めています。
 第5次再審請求審では、死刑判決の唯一の物証とされた王冠の歯形鑑定は電子顕微鏡の倍率を操作した不正鑑定であることが明らかになったにもかかわらず再審請求は棄却。
 第6次再審請求審では、事件当時の名張警察署長が捜査の必要上書きとめたノートを「他の捜査官から伝え聞いた情報を記載したもの」なので「証拠価値が乏しい」と判断し特別抗告を棄却しました。
 第7次再審請求審で(1)犯行の機会は奥西さん以外にもあること、(2)唯一の物証といわれた王冠は、本件ぶどう酒の瓶の王冠ではない疑いがあること、(3)自白の信用性が大きく揺らいだこと、などが明らかとなり、再審開始決定が出され、奥西さんの無罪は明白となりました。

無実の人は無罪に!
 
無実の奥西さんを死刑台から救おうと支援運動を進めています。
 今回の再審開始決定で奥西さんの刑の執行は停止されました。しかし、今までと同様、私たちの声や全国各地からの激励ハガキ、カンパは差し出し人が親族でないという理由で、奥西さんのもとには届きません。カンパは現金書留で差出人に返還され、年賀状や激励ハガキは拘置所が保管したままになっています。拘置所はかたくなに面会の許可を拒否しています。
 奥西さんは無実を訴え、再審請求中であることを考えると、刑事被告人と同じように弁護人以外の外部の人間との接触が必要なのです。
 奥西勝さんは名古屋拘置所から40年余にわたって無実を訴え続けています。

 来年80歳をむかえ、裁判に命をかける奥西勝さんを一日でも早く救い出すため、このページをご覧くださった皆さんのご支援をよろしくお願いいたします。
 事件の詳しい内容や署名用紙、また行事などのお知らせは、名張毒ぶどう酒事件・奥西勝さんを守る東京の会ホームページhttp://www5a.biglobe.ne.jp/~nabari/に載っています。


ぜひご覧ください。

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    2005年10月14日