当事務所から徒歩15分『花の天神様』で名高く歌川広重の浮世絵にも描かれている亀戸天神社では鷽替(うそかえ)神事が毎年1月24日、25日の両日おこ なわれている。九州の太宰府天満宮にならって文政3年に始められた。太宰府天満宮での1月7日の鷽替では、日の落ちた夕刻に木製の鷽を持って参詣人が大ウ ソの周りに集まり、巫女さんの「かえましょ、かえましょ」という掛け声と太鼓が鳴る間、参詣人どうしが木製の鷽を互いに交換しあう。「やめ!」の合図でそ の時、手に取っていた鷽が自分のものとなる。その鷽の中に神社から出されたものもあり、金製の鷽を替え当てた者は好運を得るとされる。
幸運を招く鳥である前年の木製の鷽を返納し、「嘘」を「誠」に取り替えることで1年の吉運を招き、幸運を得ることができるとされている。亀戸天神社でも江戸時代には太宰府天満宮同様、鷽を交換していたが現在は配布だけである。が多くの参拝客でにぎわう。
私も数年前から欠かさず亀戸天神の鷽をいただきに行くようになった。きっかけは数年前、年があらたまり仕事も始まったが、前年に体調を崩し、また対人関係 でもいろいろなことが起き、気持ちの上で前向きになれずイジケていた。夫や友人、同僚等に話を聞いてもらってはいたが、吹っ切れていなかった。縋(すが) れるものには縋ってみようとの気持ちで初めて行ってみた。
素晴らしい冬晴れの午前9時頃、亀戸天神社に到着した。受験シーズン間近であることから一般の参拝者とは分けるために、横の小道に鷽を求める人が列をなし ていた。一人で来ている方は文庫本を片手に、カップルは和やかに話をしながら、皆さんしっかり防寒して並んでいた。木々の上では小鳥がさえずり穏やかな日 差しのなか、参拝客は新しく始まる年が良い年になるようにとの思いをもっていると感じた。
私の前に並んでいる女性が「あっ!」と声をあげた。連れの女性の肩に、鳥の落し物がついたのだ。テッシュペーパーで拭きとりながら「今年は鷽替だけでなく、ここでウンがつくなんていいことがありそうね」と明るい言葉に周りの人たちもなごんだ。
30分程並びやっと巫女さんの前にたどりついた。3センチ位の一番小さな鷽を求め、参拝をしてから事務所に向かった。鷽を手にしたことでいいことがおこりそう、いい年になりそうと単純に嬉しくなり気分があがり、弁護士や事務局に説明して見せて回った。それから毎年ひとつずつ大きなサイズの鷽をいただきにかよっている。
いろいろなことが起こるのが人生である。トラブルにまきこまれて困った時、まず相談するのは家族や近しい人であろう。しかし自分の周りにいる人の助言だけ では抜け出せないこともあるかと思う。そんな時、身近なところに気軽に相談できる専門家がいると心強い。神頼みだけでは解決できないであろうから…。
東京東部法律事務所は困った時に何でも気軽に相談していただける事務所でありたいと思っています。何かあった時には、まずはお電話してみてください。
皆さま方にとって、今年一年が良い年になりますように。
どうぞ本年もよろしくお願いいたします。