2007/11/6 弁護士 大江京子
東京大気汚染裁判、全面解決へご支援ありがとうございました
勝利和解で解決―医療費助成制度(自己負担なし)を勝ち取る
本年8月8日、11年以上に及ぶ東京大気汚染公害裁判は原告の勝利和解により終了しました。
和解の内容は大きく分けて、
①自動車メーカー、国・首都高速自動車会社(旧公団)・東京都が費用を拠出(5年間で総額200億円)して東京都全域のぜん息患者の医療費を助成する制度の創設、
②公害対策の実施、
③連絡会の設置、
④自動車メーカー7社による12億円の解決金の支払いの4点です。
東京高裁は、この裁判の大きな成果として都内全域に居住する気管支喘息患者の医療費救済制度が創設されることをあげ、「これまでに例を見ない画期的なこと」と賞賛しました。
深刻な医療費の負担に苦しんでいる数十万人とも言われる都内のぜん息患者に、無償の医療を実現できることは、原告団にとっても大きな喜びであり、誇りでもあります。
かつてない広汎な支援の力 ― これまでのご支援に心から感謝いたします
「東京にきれいな空気を取り戻す!」「すべてのぜん息患者らの救済制度を!」を合言葉とする原告らの命をかけた闘いは、多くの皆様の共感を得て広汎かつ継続的な支援の輪が広がりました。
今回の成果は、皆様の長期間にわたる並々ならぬご支援と運動に支えられて勝ち取ったものです。本当にありがとうございました。
今回の成果は、皆様の長期間にわたる並々ならぬご支援と運動に支えられて勝ち取ったものです。本当にありがとうございました。
東京大気裁判は終わりますが、今回の和解は、抜本的な公害対策の実施と被害者救済の完全実施のためのスタートでもあります。
医療費助成制度は早ければ今年12月の都議会で条例が成立し、今年度中に実施もありうる状況となっています。原告たちが命をかけて勝ち取った制度を、さらに充実させて確かなものとするために、皆さんの周りのぜん息の患者さんたちに、この制度を教えて広めてください。
国・東京都は、今回の和解で自動車排ガス公害対策の実施を約束し、監視のための連絡会の開催も和解条項で定まりました。PM2.5については、環境基準の設定を含めて検討することを国は約束しています。国や東京都の公害対策をより抜本的実効的なものにするために、今後とも地域の皆様のご意見ご協力が不可欠です。
今後とも、よろしくお願いいたします。