【事故の内容】
Aさんはマンション前に自転車を止めて作業をしていましたが,突然,マンションのエントランスに止めてあった配送用台車が動き出し自転車に追突しそうになったのでこれを制止しようとしたところ,階段を踏み外して左肩を強打し,肩腱板部部分断裂の怪我を負ってしまった。
【解決内容】
Aさんは事故から1年余り通院しリハビリをしてきましたが,回復せず,また,治療費も一切自己負担ということで,相手方は何らの賠償もしていませんでした。
賠償責任を負うべき大手運送会社に治療費の請求を行いましたが,その会社は,「Aさんの不注意により事故が起きた」として支払いに応じませんでした。
そこで,Aさんと相談し,治療を尽くしたうえで主治医に「後遺障害診断書」を作成してもらい,これを根拠に後遺障害による逸失利益や慰謝料を含めた全損害の賠償請求を行いました。
これに対し,相手方はその加入している保険会社の弁護士が対応し,一部損害は認めたうえで大幅な過失相殺を主張してきました。
これに対し,Aさんに過失ありとする主張に正面から反論,反証し,粘り強い交渉を行って大幅な譲歩を引き出し,裁判を行わずに,Aさんも納得できる賠償額を得て解決することができました。
【コメント】
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東京弁護士会
城﨑 雅彦
ジョウザキ マサヒコ
Jyozaki Masahiko - 保険会社側の弁護士の「過失相殺」の主張には,いつも怒りを覚えます。高齢のAさんにとって,「裁判すること」は重たいものでしたので,交渉で早期に解決でき,本当に良かったです。