私は、高浜原発の再稼働や丸川環境相の発言に、ものすごく怒りを覚えています。そんななか、福島原発事故被害のドキュメンタリー映画『大地を受け継ぐ』が、2月20日から東京・ポレポレ東中野で公開されます。ぜひ多くの方にご覧いただきたいです。
2011年3月24日、福島県須賀川市で農業を営むひとりの男性が自ら命を絶った。原発事故を受け、地元の農業団体から農作物出荷停止のファックスが届いた翌朝のことだった。「お前に農業を勧めたのは、間違っていたかもしれない」。そう息子に言い残して。
それから4年。学生たちが訪れたこの農家の息子(樽川和也)は、母(美津代)とふたり、汚された土地で農作物を作り続けている。「福島の米や野菜は今までの値段では売れないし、売れても黒字になることはない」。農業だけで生きていくことが難しい現状だ。それでも自死した父や、先祖が代々受け継いできた土地を捨てるわけにはいかないと、彼らは土を耕し作物を育て続けている。
「いい土を作らないと、美味い野菜はできない」。そう言い続けてきた父。
毎年食べていた椎茸、ふきのとう、たらの芽、山菜は、いまこの土地には無い。
検査しているとはいえ、汚染された地で育てた作物を流通させる、生産者としての罪の意識。紛争解決センターでの裁判、東電からの補償金、身内からの批難…。次々に押し寄せる内外の葛藤。これは決して報道されることのなかった真実の告発、4年間の決意と軌跡。息子は言う。「これは風評じゃない、現実なんだ」と。
果たして、学生たちは何を想い、何を受け継ぐのか――。
(以上、公式HPより)
樽川さんは、当事務所の弁護士の多くが加わっている、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の原告であり、昨年11月の原告本人尋問では原告団を代表して裁判所に被害を訴えられました。また、監督の井上淳一さんは、2年ほど前から生業訴訟の期日に毎回かけつけたり、避難指示区域を含め福島を何度も訪れたりして、熱心に支援してくださっている方です。福島を舞台とした『あいときぼうのまち』という映画の脚本も書かれています。私は修習生の頃から何度もお話させていただき、豊富な知識と情熱を感じ、尊敬しています。
実は私も、昨年3月、この映画と同じ状況、つまり樽川さんのお宅で樽川さんからじっくりとお話を伺いました。それまでに樽川さんのニュースや陳述書などを読んではいましたが、涙があふれてきました。
一人でも多くの方に同じ体験をしていただきたいので、この映画をぜひご覧ください。また、周りの方にも勧めてください。
さらに、下記の公式HPの「声」や、井上監督の福島での先行上映初日後のコメントにも、素晴らしい言葉があふれていますので、ぜひご覧ください。
公式HP:https://daichiwo.wordpress.com/
井上監督コメント:https://t.co/1ClMWeraib
ポレポレ東中野:http://www.mmjp.or.jp/pole2/